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エクセルで予約システムを作る方法は?作成手順を徹底解説

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予約管理の効率化に向けてシステムの導入を検討しているものの、コスト面が課題となり、「なかなか導入に踏みきれない……」というご担当者様もいらっしゃるでしょう。
そうしたとき、エクセルを使った予約管理は低コストかつ実用的な手段となります。

そこで本記事では、エクセルを活用して簡易的な予約システムを作成する具体的な方法を解説します。
自社の予約管理体制を改善するために、ぜひお役立てください。

予約システムについて

本題に入る前に、まずは予約システムの概要について紹介します。

予約システムとは、予約の受付やキャンセル処理をはじめとする予約業務を一括で管理できるシステムのことです。
システム開発会社が提供している予約システムを導入すれば、予約管理業務の多くを自動化でき、手動による操作が減るため業務の効率化につながります。

多くの企業が既成の予約システムを採用している一方で、エクセルなどを活用して自社でシステムの作成を試みるケースも見られます。

しかし、エクセルで作成できるのは、厳密には“予約システム”というよりも“予約管理表”に近いものです。

そのため、既成の予約システムと比較すると、手動による作業が多くなることをあらかじめ把握しておきましょう。

予約システムの基本機能

システム開発会社が提供している予約システムには、さまざまな機能が標準装備されています。
主な基本機能は、以下の通りです。

【予約システムの基本機能の例】
●予約管理機能
●メール配信機能
●顧客管理機能
●顧客分析機能
●事前決済機能
●売上管理機能

上記の通り、予約システムには業務の効率化だけではなく、顧客情報の管理・分析といった、顧客満足度の向上にもつながる多様な機能が備わっています。

また、予約システムのなかには、レジャー・アミューズメント施設向けの予約管理やチケット販売に特化した機能が含まれているものもあります。

予約管理が必要になるシーンとは?

顧客からの予約を受け付けるビジネスにおいて、予約管理は非常に重要です。

代表的な業態としては、飲食店や美容室、宿泊施設や病院、テーマパークや動物園、体験型施設などのレジャー・観光施設などが挙げられます。

これらの施設では、混雑緩和やスムーズな入場のために、予約システムを活用して来場者数を事前に把握・管理することが一般的です。

また、イベントを開催する場合も、予約システムを導入することで、事前のチケット販売や当日の来場者管理を行うことが可能になります。

エクセルでの予約管理の仕組み

エクセルで予約管理表を作成する際には、その仕組みを把握しておく必要があります。

繰り返しになりますが、エクセルで作成した予約管理表を使用する場合は、手動による入力作業が必須です。

予約者の氏名や人数、また予約日時やサービス内容などの項目を表形式で整理したうえで、情報を手入力していき、リスト化して管理することとなります。

その際、関数や入力規則の活用によって、人的ミスを防ぎつつ業務を効率化することが可能です。

エクセルで作成する予約管理表は、簡易的な予約管理には有効である一方、予約件数や管理項目が多い場合には不向きといえます。

エクセルで予約管理表を作成する方法

前置きが長くなりましたが、ここからは本題である、エクセルを用いた予約管理表の作成方法を見ていきましょう。

エクセルで簡易的な予約管理表を作成する際は、以下の3つの方法があります。
担当者に求められるスキルや実現可能な内容はそれぞれ異なるため、本項で詳しく解説します。

【エクセルで予約管理表を作成する方法】
●簡単な表を作成する
●VBA、マクロで自動化する
●無料テンプレートを活用する

簡単な表を作成する

小規模な店舗の場合は、エクセルでシンプルな表を作成するだけで十分に予約管理が可能です。
エクセルの操作に慣れていれば、以下の手順に沿って作業を進めることで比較的容易に予約管理表を作成できます。

【エクセルで簡易的な予約管理表を作成する手順の例】
①予約者の氏名、人数、電話番号などの必要項目をリストアップする
②リストアップした項目を表の上部(横列)に配置する
③表の左側(縦列)に予約日時を入力する列を設ける
④必要に応じて、セルの幅の調整や色分けを行う

上記の手順はあくまでも一例です。
実際に使用する際には、自社の業態に合わせて扱いやすいかたちに整えておきましょう。

なお、エクセルのソート機能を使用すれば、受付順に入力した予約も、あとから予約日時順に並べ替えることができます。

VBA・マクロで自動化する

エクセルで作成したシンプルな予約管理表でも十分に活用できますが、より操作性を向上させたい場合は、“VBA”や“マクロ”を使用する方法もあります。

VBA(Visual Basic for Applications)は、エクセルをはじめとするMicrosoftのOffice製品で使用するプログラミング言語のことです。

そして、VBAによって具体的な処理を組み込んだものをマクロといい、“特定の操作を記録し、自動的に実行する機能”のことを指します。

マクロを使用することにより、日常的に繰り返し行う入力作業を自動化できるため、作業時間の大幅な短縮が見込めるほか、ヒューマンエラーの削減にもつながります。

マクロを使用してエクセルでの予約管理を効率化するには、以下の手順で設定を進めてください。

【操作内容をマクロに記録する手順】
①「ファイル」→「オプション」をクリックする
②「リボンのユーザー設定」→「開発」にチェックを入れて「OK」をクリックする
③「開発」タブ→「マクロの記録」をクリックする
④任意のマクロ名を入力して保存先を指定して「OK」をクリックする
⑤記録したい操作をエクセル上で実行する
⑥操作が終わったら「記録終了」をクリックする
⑦ファイルに名前を付けて保存する

上記の手順で、操作内容をマクロに記録することができます。

記録したマクロを実行する際は、「開発」タブ→「マクロ」の順にクリックして、保存したマクロを選択し、「実行」をクリックすれば完了します。

ただし、VBAやマクロを使用するにはプログラミングの知識が不可欠なため、不慣れな場合は、Web上で公開されているサンプルコードをコピーして使用しましょう。

無料テンプレートを活用する

簡単な表の作成やVBA・マクロの使用が難しい場合は、インターネット上に無料で公開されているエクセルの予約管理テンプレートを利用するのがおすすめです。
業種ごとにさまざまな種類があるため、自社に合ったものが見つかるでしょう。

このようなテンプレートを有効に活用すれば、予約管理表を作成する手間がかからず、スムーズに運用を開始できます。

エクセルの無料テンプレート配布サイト3選

前項でお伝えした通り、無料で公開されているエクセルの予約管理テンプレートを利用すれば、すぐに予約管理表の運用を開始することが可能です。

そこでこの項では、エクセルの予約管理テンプレートを配布しているサイトを、以下の3つに絞って紹介します。

【無料で使えるエクセルの予約管理テンプレート配布サイト】
●bizroute(ビズルート)
●bizocean(ビズオーシャン)
●無料のビジネス書式テンプレート

bizroute(ビズルート)

“bizroute(ビズルート)”では、どのような業種でも使用可能な汎用性の高いテンプレートにくわえて、飲食店や美容室に特化したテンプレートもダウンロードできます。

いずれのテンプレートもシンプルさと使いやすさを両立しており、実用性に優れているのが特徴です。

bizocean(ビズオーシャン)

飲食店や美容室だけではなく、社内の会議室や宿泊施設など、多様な業種で利用できるテンプレートを提供しているのが“bizocean(ビズオーシャン)”です。

ファイル形式はエクセルのほか、WordやPDFにも対応しているので、用途に合わせて選択することができます。

ただし、ダウンロードには無料の会員登録が必要です。

無料のビジネス書式テンプレート

ビジネス向けのテンプレートを提供している“無料のビジネス書式テンプレート”では、会議室の予約管理表を、月間、週間、時間の3種類から選んでダウンロードできます。

たとえば、月間の予約管理表の場合、4部屋分の会議室を午前・午後の時間帯ごとに1か月単位で管理できるため、予約状況の把握や空き時間の調整をスムーズに行えます。

エクセルで予約管理を行うメリット

簡易的な予約管理であれば、エクセルでも十分に対応できることは先述の通りですが、実際に自社で作成し、運用した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
エクセルで予約を管理するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。

【エクセルで予約管理を行うメリット】
●メリット①コストがかからない
●メリット②自由に作り込むことができる
●メリット③簡単な管理なら十分対応可能

メリット①コストがかからない

エクセルで予約を管理する最大のメリットは、原則としてコストが発生しないことです。

ほとんどの業務用パソコンには、あらかじめエクセルが搭載されているため、予約管理表の作成にあたって新たにソフトウェアを購入する必要はありません。

「予約システムの作成に費用をかけたくない……」とお考えのご担当者様にとっては、現実的な選択肢となるでしょう。

メリット②自由に作り込むことができる

費用を抑えられるだけではなく、自社の用途に合わせて自由に作り込める点も、エクセルで予約を管理するメリットの一つです。

予約管理表を自作する場合、エクセルに備わっている表計算機能や関数などを制限なく使用できるため、入力作業を自動化し、作業効率を高めることができます。

対して、テンプレートをダウンロードする場合は、機能に制限がかけられていることがあり、自由に編集できない可能性がある点を把握しておきましょう。

メリット③視認性や操作性に優れている

エクセルで作成した予約管理表は、手書きと比べて視認性や操作性に優れており、管理しやすいのも大きなメリットでしょう。

簡易的な予約の管理であれば、エクセルに搭載されているフィルター機能を使用することで、予約内容の整理や必要な情報の検索をスムーズに行えます。

エクセルで予約管理を行うデメリット

予約管理にエクセルを使用する場合は、コスト面や使いやすさなどのメリットだけではなく、デメリットも押さえておくと事前に対策を講じることができます。

ここからは、特に注意したい以下の4つのデメリットについて解説します。

【エクセルで予約管理を行うデメリット】
●デメリット①入力ミスや管理漏れが起こりやすい
●デメリット②複数人での管理、編集に向いていない
●デメリット③セキュリティ管理が不十分になりやすい
●デメリット④業務が属人化しやすい

デメリット①入力ミスや管理漏れが起こりやすい

先述した通り、エクセルによる予約管理には手動での入力作業が必須です。

そのため、予約者の氏名や人数、電話番号などの情報を誤って入力してしまうといった、人為的ミスが発生しやすい点がデメリットとして挙げられます。

このようなミスを防ぐには、社内におけるダブルチェック体制を整える、またVBAやマクロを使用して入力した内容をチェックする機能を組み込むとよいでしょう。

デメリット②複数人での管理・編集に向いていない

エクセルは基本的に一人で作業することを前提としているため、複数人による管理・編集には向いていません。

一般的なエクセルファイルでは、複数人で同じファイルを開いて編集すると、データの上書きミスや保存エラーが発生するおそれがあります。

とはいえ、最新版であれば複数人が同時に編集できる“共同編集機能”を備えているため、予約管理にエクセルを使用する場合はバージョンを事前に確認しておくことが大切です。

デメリット③セキュリティ管理が不十分になりやすい

エクセルで予約を管理する際、セキュリティ面や安全対策が不十分になりやすい点はデメリットです。

エクセルファイルは、メールやチャットツール、外部ドライブなどを通じて容易に共有できることから、情報漏洩のリスクを伴います。

また、アクセス履歴を記録する監査ログ機能がなく、不正アクセスが発生した際に原因の特定が難しくなります。

予約情報には顧客の個人情報が含まれるため、エクセルで予約を管理する際には、情報漏洩リスクを考慮したうえで必要な対策を講じることが極めて重要です。

デメリット④業務が属人化しやすい

エクセルを使った予約管理表は柔軟にカスタマイズできるのが魅力ですが、その自由度の高さがかえって属人化を招く要因となる可能性があります。

特に、VBAやマクロを取り入れた予約管理表を使用する場合は、その仕組みを理解できる人が限られるため、予約担当者に依存しやすい点に注意が必要です。

業務の属人化を防止するには、予約管理業務のフローを明確にしたうえで、予約の変更や顧客対応などを含めたマニュアルを作成し、操作手順を明文化しておきましょう。

エクセルと予約システムツールを比較

ここまで、エクセルで作成する予約管理表に焦点を当ててお伝えしてきましたが、この項では、既成の予約システムとエクセルの予約管理表の違いを整理していきます。
以下に示す通り、まずはそれぞれの機能の違いに触れたのち、管理の利便性やコスト面、セキュリティ面について順に解説します。

【既成の予約システムとエクセルの予約管理表の違い】
●機能の違い
●管理の利便性の違い
●導入コストの違い
●セキュリティリスクの違い

機能の違い

既成の予約システムと、エクセルで作成した予約管理表の機能には、予約の受付やキャンセル時の対応のほか、データの集計・分析の方法などに違いがあります。
具体的な内容は、以下をご確認ください。

【機能の違い】

機能既成の予約システムエクセルの予約管理表
予約の登録・編集顧客がオンラインで登録・編集する従業員が手動で登録・編集する
予約の重複防止予約枠を自動で管理し、重複を防止する手動で重複を確認する
予約のキャンセル・変更顧客自身がキャンセル・変更できる手動でキャンセル・変更を行う
予約の集計・分析予約データを自動で集計・分析し、利用状況や予約傾向を把握できる手動で集計・分析を行う
決済対応顧客自身が予約と同時に決済を済ませられる不可

上記の通り、既成の予約システムには予約管理に必要な機能が幅広く搭載されています。
対して、エクセルで作成した予約管理表は機能が限られており、手動での作業を伴うことから管理に一定の手間が生じるだけではなく、ミスを誘発するおそれもあります。

管理の利便性の違い

続いて、予約管理の利便性についても比較してみましょう。

【利便性の違い】

利便性既成の予約システムエクセルの予約管理表
予約方法モバイル端末からオンラインで予約できるオンライン予約には対応できない
予約状況の確認リアルタイムで確認できる手入力が必要なためタイムラグが発生する可能性がある
複数人での同時編集複数人で同時に予約情報を編集できる同時に編集できない場合がある

既成の予約システムであれば、オンライン予約にも対応できます。
また、予約状況をリアルタイムで確認できるほか、複数人での操作が可能な点も踏まえると、予約システムのほうが利便性に優れているといえます。

導入コストの違い

先述した通り、エクセルであれば基本的に無料で予約管理表を作成できますが、既成の予約システムを導入する際は、一般的に初期費用と月額料金が発生します。

とはいえ、自社に合った予約システムの導入によって、予約管理の効率化や顧客満足度の向上が見込めるため、長期的に見ると費用対効果が高まる可能性があります。

なお、予約システムの導入費用はシステムの規模や提供形態、システム開発会社によって異なるため事前の確認が必要です。

セキュリティリスクの違い

顧客の個人情報を扱ううえで極めて重要なポイントは、セキュリティ対策が十分に施されているかどうかです。

この点においては、エクセルよりもシステム開発会社が提供する予約システムのほうが、厳重なセキュリティ対策を講じているため安心して利用できるでしょう。

セキュリティ対策もシステム開発会社によって異なりますが、一般的にはデータの暗号化やアクセス制限といった対策を施すことで情報漏洩のリスクを低減しています。

施設・イベントの予約管理を効率化するなら『CLOUD PASS』

予約管理は、飲食店や美容室などの店舗だけではなく、レジャー施設や屋内外で開催されるイベントにおいても非常に重要です。
特に、エクセルでは対応しきれないチケット販売や入場管理といった業務を効率化したいご担当者様には、『CLOUD PASS』の利用をおすすめします。

CLOUD PASSの特徴は、施設・イベント運用におけるチケット販売に特化していることです。
申込フォームの作成から決済、チケット発券はもちろん、予約・座席管理や入場受付に至るまで、施設・イベント運用に必要なシステムを一元管理できるのが最大の魅力です。
また、顧客データを蓄積・分析できる機能も搭載されているため、そのデータに基づいた施策展開が可能となり、新規顧客の獲得やリピート率の向上が見込めます。

さらに、2023年以降にCLOUD PASSを導入した施設の継続率は100%に達しており、これはサービスの信頼性と導入先の満足度の高さを裏付けています。
施設・イベントにおけるチケット販売業務を円滑に進めたいご担当者様は、CLOUD PASSの導入をぜひ前向きにご検討ください。

エクセルで簡易的な表を作成すれば予約システムに近い運用が可能

今回は、エクセルで予約システム(予約管理表)を作成する方法をお伝えしました。

エクセルで予約を管理する場合、厳密には予約システムとはいえませんが、簡易的な表の作成だけで十分に対応できます。

さらに利便性を高めるのであれば、VBAやマクロを使用して入力作業を自動化・効率化するとよいでしょう。

エクセルでは対応が難しい施設・イベントでの予約管理を効率化したいご担当者様は、CLOUD PASSの導入をご検討ください。

チケット販売に必要なあらゆる機能が含まれており、入場管理や顧客管理、データ分析などを一元管理できるため、業務効率化に大きく貢献します。

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