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新紙幣対応券売機の費用相場とメーカー比較|現金対応は今後も必要?

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2024年7月の新紙幣発行以降、飲食店やサービス業の現場では券売機の対応が課題となっています。西鉄グループのバス車内運賃箱の新紙幣対応が2026年3月までに順次完了予定であることや踏まえると、全ての券売機の対応が一巡しているとは言い切れません。これから新規開店を予定している方や、老朽化による買い替えを検討している方にとって、現金対応の必要性は依然として大きな検討事項です。

近年はキャッシュレス決済が急速に普及し、現金を一切使わない層も増えています。しかし、一方で現金決済を好む顧客層も根強く残っており、完全なキャッシュレス化には離客のリスクが伴うことも否定できません。

本記事では、既存機の改修方法から最新機種への買い替え費用、さらにはキャッシュレス専用機へ移行する際のメリットや注意点について詳しく解説します。店舗の運営スタイルに合わせた最適な選択肢を見つけるための判断材料として、ぜひ内容を確認してください。

目次

2026年の券売機と現金対応の判断ポイント

2026年現在、新紙幣への対応状況は店舗によって様々であり、未対応の店舗では現金決済の継続が重要な検討事項となります。キャッシュレス決済の普及により、現金を利用する層は年々減少傾向にあるのが実情です。

判断のポイントは自店の客層や立地にあります。都市部や若年層がメインの店舗であれば、導入時からキャッシュレス化を推進することで、現金管理に伴うコストや業務負担を大幅に削減できます。

一方で、高齢者層が多い地域や地方、観光地の店舗では、依然として根強い現金需要が存在します。完全非対応にすると来店を断念する顧客が出るリスクがあるため、自店の運営スタイルに合わせた慎重な判断が長期的な安定につながります。

券売機を新札対応させる3つの具体的な方法

券売機を新紙幣対応させる方法は、主に「部品交換(改修)」「最新モデルへの買い替え」「キャッシュレス決済専用機への移行」の3つに大別されます。
現在使用している機器の状態や製造年、今後の店舗運営の方針や予算に応じて、最適な選択肢は異なります。

それぞれの方法のメリットとデメリットを正しく理解し、自店舗の状況に最も合った手段を慎重に検討することが、スムーズな移行の鍵となります。

方法①:現在使用中の券売機の部品交換(改修)で対応する

比較的新しいモデルの券売機であれば、紙幣を識別する「ビルバリデーター(ビルバリ)」と呼ばれる部品の交換や、内部ソフトウェアのアップデートによって新札対応が可能です。
この方法は、券売機本体を丸ごと買い替えるよりもコストを大幅に抑制できる点が最大のメリットです。
ただし、券売機の機種や製造年式によってはメーカーが部品の供給を終了している、あるいは改修自体に対応していない場合もあります。

まずは現在使用中の券売機メーカーや販売代理店に連絡を取り、改修の可否と費用の見積もりを確認することが最初のステップです。
依頼が集中することも考えられるため、早めの行動が求められます。

方法②:新札に対応した最新モデルの券売機に買い替える

長年使用している旧型の券売機や、メーカーによる部品交換での対応が不可能な機種の場合は、新札に対応した最新モデルへの買い替えが必要となります。
最新機種は、新札対応はもちろんのこと、大型タッチパネルによる優れた操作性、インバウンド需要に応える多言語対応、多様化する決済手段に対応するキャッシュレス機能など、売上向上や業務効率化に資する多くの機能を搭載しています。

初期投資としての本体価格は高額になりますが、補助金の活用も視野に入れれば、長期的な視点で見て十分な投資対効果が期待できます。

方法③:新札対応を機にキャッシュレス決済専用機へ移行する

新紙幣への対応を一つの契機と捉え、現金管理の手間や防犯上のリスクから解放されるキャッシュレス決済専用機へ移行するのも有効な選択肢です。
この方法を選択すれば、新札対応のための改修や現金を取り扱う券売機への買い替えは一切不要になります。
日々の売上金管理や釣り銭準備といった煩雑な業務が削減され、店舗スタッフは接客など本来の業務に集中できます。

特に若年層や外国人観光客が多く訪れる店舗では需要が高く、スムーズな会計は顧客満足度の向上にもつながります。
ただし、現金払いを希望する顧客層もいるため、完全キャッシュレス化は店舗の立地や客層を十分に考慮して判断する必要があります。

【パターン別】券売機の新札対応にかかる費用相場を解説

券売機の新札対応にかかる費用は、選択する対応方法によって大きく変動します。
既存の券売機の部品を交換して対応するのか、あるいは本体ごと最新機種に買い替えるのかで、必要な予算は数万円から数百万円までと大きな幅があります。

ここでは、それぞれのパターンにおける具体的な費用相場を解説します。
自店の状況と照らし合わせながら、予算計画を立てる際の参考にしてください。

部品交換(ビルバリ交換)やアップデートにかかる費用

既存の券売機を新札に対応させるための部品交換費用は、一般的に10万円から40万円程度、あるいはそれ以上かかる場合があります。この費用には、新札を識別するための紙幣識別機(ビルバリ)の部品代、専門業者による交換作業費、出張費などが含まれます。機種によってはソフトウェアのアップデートのみで対応可能なケースもあり、その際の費用は数万円程度で済むこともあります。

本体を買い替えるよりも大幅にコストを抑えられるため、対応可能な機種であれば経済的な選択肢です。ただし、費用はメーカーや機種によって異なるため、必ず事前に正確な見積もりを取得して確認することが重要です。

券売機本体を新規に購入する場合の価格

新札に対応した券売機本体を新規に購入する場合、その価格は機能によって大きく異なります。
メニュー数の少ないシンプルなボタン式の小型券売機であれば50万円前後から導入可能ですが、大型のタッチパネルを搭載した高機能モデルやキャッシュレス決済にも対応する機種になると、価格相場は100万円から300万円程度になります。

高額紙幣への対応可否や売上管理機能の有無なども価格を左右する要素です。
初期投資は高額になりますが、最新機種がもたらす業務効率化や顧客満足度の向上といったメリットを考慮し、長期的な視点で投資対効果を検討する必要があります。

券売機の導入・改修費用の負担を軽減する補助金・助成金制度

券売機の新札対応には高額な費用が必要となる場合がありますが、国や地方自治体が実施する補助金・助成金制度を活用することで、事業者の金銭的負担を軽減できる可能性があります。
これらの制度は、中小企業の生産性向上やIT化の促進を目的としており、券売機の導入・改修も対象となるケースが少なくありません。

公募期間や申請要件を確認し、積極的に活用を検討しましょう。

券売機の購入やシステム導入に活用できる「IT導入補助金」

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や売上アップに貢献するITツールを導入する際に、その経費の一部を補助する制度です。
券売機本体(ハードウェア)のみの購入は原則として対象外ですが、売上分析や顧客管理などの機能を持つソフトウェアとセットで導入する場合には、システムの一部として補助金の対象となる可能性があります。
特に、POSシステムと連携する券売機や、キャッシュレス決済機能を搭載した券売機などが該当しやすいです。

申請を検討する際は、まず券売機の販売店がIT導入支援事業者に登録されているかを確認し、相談することから始めましょう。

人手不足解消にもつながる「中小企業省力化投資補助金」

中小企業省力化投資補助金は、深刻化する人手不足に対応するため、中小企業がIoTやロボットなどの省力化製品を導入する際の費用の一部を補助する新しい制度です。
券売機は、注文受付から会計までの業務を自動化し、従業員の作業負担を直接的に軽減する設備であるため、本補助金の対象製品としてカタログに登録される可能性が高いと考えられます。
補助上限額も比較的高く設定されているため、高機能な券売機への買い替えを検討している事業者にとっては特に有力な支援策となり得ます。

販路開拓の経費も対象になる「小規模事業者持続化補助金」

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が策定した経営計画に基づき、販路開拓や生産性向上のための取り組みを行う際の経費を支援する制度です。
例えば、多言語対応のタッチパネル式券売機を導入してインバウンド顧客の獲得を目指す、といった計画は「新たな販路開拓」の取り組みとして認められる可能性があります。
補助額は他の制度に比べて大きくない場合もありますが、幅広い経費が対象となるため、小規模な店舗にとっては活用しやすい補助金の一つです。採択率は公募回によって変動します。

お住まいの地域で探す!市区町村独自の助成金制度

国が主体となって実施する補助金制度に加えて、各都道府県や市区町村が独自に設けている助成金制度も数多く存在します。
これらの制度は、地域経済の活性化や地元企業の設備投資支援を目的としており、券売機の新札対応にかかる改修費用や購入費用が対象となる場合があります。
国の制度とは異なり、より地域の実情に即した内容となっているのが特徴です。

制度の有無や申請条件は自治体ごとに大きく異なるため、まずは自店舗が所在する市区町村の役場や商工会議所のウェブサイトで情報を確認してみましょう。

失敗しない新札対応券売機の選び方と主要メーカー

新札対応を機に券売機の買い替えを決断した場合、自店舗に最適な製品を選ぶことが重要です。
各メーカーから多様なモデルが提供されており、それぞれに機能や価格、デザインなどの特徴があります。
店舗の業態や規模、客層、そして将来の展望までを考慮し、主要メーカーの強みや製品の仕様を比較検討することが、後悔のない券売機選びにつながります。

主要メーカー(グローリー・芝浦自販機など)の特徴を比較

券売機市場では、複数のメーカーが多様な製品を展開しています。
例えば、金融機関の通貨処理機や駅の自動券売機などで高いシェアを持つグローリーは、紙幣識別の技術力と機器の信頼性に定評があります。
一方、芝浦自販機は、飲食店向けのコンパクトなモデルから高機能な大型機まで、幅広いラインナップを揃えているのが特徴です。

これらの大手メーカー以外にも、特定の業種に特化した機能を持つ券売機や、デザイン性を重視した製品を提供するメーカーも存在します。
各社のカタログを取り寄せたり、ウェブサイトで仕様を比較したりして、自店舗のコンセプトや運用方法に最も適したメーカーを選定することが重要です。

店舗の客単価に合わせた紙幣対応(高額・低額)で選ぶ

券売機を選ぶ際には、店舗の平均客単価を考慮して、どの金種の紙幣まで対応させるかを決定することが大切です。
ラーメン店やそば・うどん店など、客単価が比較的低い店舗では、千円札と二千円札のみに対応した低額紙幣モデルで十分な場合が多く、導入コストを抑えられます。

一方で、レストランやレジャー施設など客単価が高い店舗では、五千円札や一万円札での支払いが想定されるため、高額紙幣に対応したモデルが必須です。
高額紙幣対応機は、高額な釣り銭を準備する必要はありますが、顧客の利便性を高め、販売機会の損失を防ぐ上で不可欠な機能となります。

操作性とメニュー数で決めるタッチパネル式とボタン式の違い

券売機は、操作パネルの違いによって「タッチパネル式」と「ボタン式」の2種類に大別されます。
ボタン式は、メニューごとに物理的なボタンが配置されており、誰でも直感的に操作できるのが利点です。
機器の価格も比較的安価で、メニュー数が限られている店舗や高齢者の利用が多い店舗に適しています。

対してタッチパネル式は、画面にメニューの写真や詳細な説明を表示できるため、視覚的に訴求力が高いのが特徴です。
メニュー数が多くてもカテゴリー分けで整理でき、トッピングの選択や多言語表示にも柔軟に対応できます。
導入コストは高めですが、販売促進や顧客満足度の向上に大きく貢献します。

券売機の新札対応が遅れると発生する2つのリスク

新紙幣の発行が開始された後も券売機の対応を先延ばしにすると、店舗運営において看過できないリスクが生じる可能性があります。
具体的には、売上に直接影響する「販売機会の損失」と、店舗運営の効率を著しく下げる「スタッフの業務負担増加」です。

これらのリスクは、最終的に顧客満足度の低下を招き、店舗の評判にも悪影響を及ぼしかねません。

新紙幣しか持たないお客様の販売機会を逃す

新紙幣発行後、市中に流通する現金は徐々に新しいものへと置き換わっていきます。
お客様がATMで現金を引き出した際、それが新紙幣であることはごく当たり前の状況になります。
そのお客様が来店したときに、もし店舗の券売機が新札に対応していなければ、商品やサービスを購入することができず、そのまま店を後にしてしまうでしょう。

これは店舗にとって、得られるはずだった売上をみすす逃す「機会損失」に他なりません。
一度の機会損失だけでなく、不便な体験をしたお客様が再来店してくれなくなる可能性も十分に考えられます。

手動での両替対応でスタッフの業務負担が増える

券売機が新紙幣を受け付けられない場合、お客様からスタッフに対して両替の依頼が頻繁に発生することが予想されます。
その都度、スタッフは調理や接客の手を止め、レジや事務所で旧紙幣を用意して対応しなければなりません。
特に、ランチタイムなどのピーク時に両替対応が重なると、料理の提供が遅れたり、店内に不要な行列を生んだりする原因となります。

これはスタッフの業務負担を無駄に増やすだけでなく、店舗全体のサービス品質を低下させます。
券売機を導入した目的である省人化や業務効率化のメリットが損なわれてしまうのです。

券売機の新札対応に関するよくある質問

券売機の新札対応を検討する過程では、多くの店舗運営者様が共通の疑問や不安を抱えます。
「そもそも今使っている機械は対応できるのか」「コストを抑えるために中古品を導入するのはどうか」といった具体的な質問は、適切な判断を下すために欠かせない情報です。

ここでは、特にお問い合わせの多い質問とその回答を簡潔にまとめました。

Q. 今使っている券売機が新札対応できるか確認する方法は?

最も確実な方法は、現在使用している券売機のメーカーや購入した販売代理店に直接問い合わせることです。
券売機の本体に貼られているシールなどで型番や製造番号を確認し、それを伝えれば、新札対応の可否や具体的な改修方法、費用の見積もりを正確に教えてくれます。

Q. 中古の券売機を購入して新札対応させるのはおすすめ?

基本的には推奨できません。
中古の券売機は初期費用を抑えられますが、旧型のために新札対応の改修部品が供給されていなかったり、メーカー保証が受けられなかったりするリスクがあります。

購入後に対応不可と判明し、結果的に買い直しとなるケースもあるため注意が必要です。

Q. リースやレンタルで新札対応券売機を導入できますか?

はい、可能です。
リースやレンタルを利用すれば、購入に比べて初期費用を大幅に抑えながら、最新の新札対応券売機を導入できます。
月々の定額料金で利用でき、契約内容によっては保守メンテナンスが含まれるプランもあります。

予算が限られている場合や、短期間だけ利用したい場合に有効な選択肢です。

新札対応もキャッシュレス化も“どちらにも対応できる券売機”という考え方

新札対応を進めるべきか、キャッシュレス化へ移行すべきかは、業態や客層によって最適解が異なります。ただし共通して言えるのは、今後も決済環境は変化し続けるという点です。そのため近年は、新札対応の釣り銭機を導入しつつ、将来的にキャッシュレス比率が高まっても柔軟に切り替えられる拡張性のある券売機を選ぶ事業者が増えています。

例えば、信頼性の高いグローリー製の釣り銭機に対応したモデルを選ぶことで、新札対応への不安を解消できます。施設運営においては、入場管理と決済を一体化できるクラウドパスのような、現金とキャッシュレスの両運用に対応可能なシステムも有効です。

飲食店では操作性や設置スペースも重要になるため、現金とキャッシュレスを業態に合わせて柔軟に使い分けられるキャッシャー型が推奨されます。二択で考えるのではなく、将来も困らない設計にすることが投資リスクの軽減につながります。具体的な構成については、サービス資料で詳細を確認してみてください。

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まとめ

2024年7月の新紙幣発行に伴う券売機の対応は、店舗運営を継続する上で不可欠な準備です。
対応策には、既存機の部品交換による「改修」、最新機種への「買い替え」、そして「キャッシュレス化」という3つの主要な選択肢があります。
それぞれの方法には異なる費用やメリット・デメリットが存在するため、自店の業態、客層、予算、そして将来のビジョンを総合的に考慮して判断することが求められます。

各種補助金の活用も視野に入れつつ、メーカーや販売代理店へ早めに相談し、計画的に準備を進めることがスムーズな移行を実現します。

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