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券売機の法定耐用年数と購入・レンタル・リースの減価償却について

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チケット販売システムの導入を検討している方に向けて、法で定められた券売機の耐用年数、減価償却の考え方、経費計上の方法について解説します。

券売機を導入すると業務効率化に役立ち、スタッフの人数や業務負担を減らせます。そこで導入を検討した場合、「経費としての計上はどのようになるのか?」という問題に悩んでしまう方は少なくありません。

そこで今回の記事では、券売機の法で定められた耐用年数と減価償却、経費としての計上方法について解説します。参考にしていただければ、どのように経費計上を行うのか、自社に適した導入方法を判断しやすくなります。

なお、税務上の取扱い(耐用年数・減価償却・勘定科目など)は、法改正や通達の変更により内容が見直される可能性があります。
また、同一の設備であっても企業ごとの利用実態により判断が異なるケースもあるため、本記事の内容はあくまで一般的な目安としてご参照ください。

導入方法別の券売機の法定耐用年数

券売機の法定耐用年数は導入方法や導入する企業の業種によって変わります。購入・リース・所有権移転リース・所有権移転外リースの4つの区分から、券売機の法で定められた耐用年数を見ていきましょう。

購入した場合

券売機を購入した場合の法定耐用年数は、一般的に「機械・装置」として扱われ、業種に応じて8年〜13年とされています。

【券売機を購入したときの一例[1]】
●飲食店用:8年
●宿泊業用設備:10年
●洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備:13年

ただし、券売機の扱いは一律ではなく、実務上は以下のような判断の幅がある点に注意が必要です。

●設置目的や機能によっては「事務機器・通信機器(耐用年数5年)」に該当するケースもある
●販売設備として扱うか、情報処理機器として扱うかで区分が変わる可能性がある
●同じ券売機でも、利用形態(無人販売機/受付端末等)によって判断が分かれる場合がある

このように、券売機の耐用年数は業種だけでなく、用途や機能、設置位置などによって判断が変わる可能性があります。

最終的には、申告する企業側が合理的な区分を判断し、その内容を前提として税務処理が行われます。

レンタルした場合

券売機をレンタルする場合、法で定められた耐用年数は設定されていません。レンタルは契約期間が短い傾向があり、券売機の所有権が自社にないためです。

レンタル利用料は経費計上の際に「貸借料」とされ、法で定められた耐用年数による減価償却は行われません。

なお、リース契約の区分(ファイナンスリース・オペレーティングリース)の判断や会計処理についても、契約内容や会計基準の適用により異なる場合があります。
契約締結時には、会計・税務上の取り扱いを事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

所有権移転リースの場合

所有権移転リースの場合、券売機の法で定められた耐用年数は購入した場合と同じです。リース契約が終了したときに資産の所有権が自社に移るため、購入したとみなされます。

つまり業種によって8年・10年・13年と変わると考えましょう。

所有権移転外リースの場合

所有権移転外リースであれば、リースをする期間がそのまま法で定められた耐用年数となります。3年リースであれば3年、5年リースであれば5年としてください。

リース契約では券売機が企業のものになるわけではありません。そのため契約期間内が法で定められた耐用年数です。

券売機を経費計上する際に覚えておきたい用語

券売機の法定耐用年数について解説してきましたが、経費を計上するには専門用語を知っておかなければなりません。特に大切だと考えられる4つの用語を解説しますので、意味を知っておきましょう。

①法定耐用年数

「法定耐用年数」とは、法律によって定められている固定資産を使える期間のことです。固定資産は税法上、減価償却を行って経費として計上します。そして減価償却の計算をするために必要となる項目です。

注意していただきたいのが、「法定耐用年数」は「耐久年数」ではないこと。法定耐用年数を過ぎたら固定資産を使えなくなるわけではありません。あくまでも税法によって設定されているだけであり、法で定められた耐用年数を過ぎても、故障がなければそのまま券売機を使い続けられます。

以上のように法定耐用年数とは減価償却のために設定されている使用可能期間のことで、国によって定められたものです。

②減価償却

「減価償却」とは法で定められた耐用年数に従って、分割して経費計上をすることです。資産の取得価額が100,000円以上であれば減価償却の対象となります[2]。

たとえば100万円の券売機を飲食店で購入したとすれば、法で定められた耐用年数は8年です。そこで100万円を8年間に分割して経費として計上します。機械や設備類は購入してから年数が経つほど価値が低くなるため、減価償却をして対象年度の固定資産の価値を算出します[2]。

もし100,000円未満であれば、減価償却を行うことなく経費として計上可能です。しかし券売機を導入するなら多くの場合は100,000円以上の取得価額になるため、券売機の導入にあたっては減価償却が必要でしょう。

③勘定科目

企業の取引における収支を分類するためのものを「勘定科目」と呼びます。売上や支出を細かくわけ、どこでどのくらいお金が動いたのかをわかりやすく記載するためのものと考えてください。貸借対照表や損益計算書を作成する際に必要となり、基本的に以下の5つに分けられます。

【勘定科目の種類】
●資産:現金・売掛金・建物・有価証券など
●負債:買掛金・支払手形・借入金など
●純資産:資本金・新株予約権など
●収益:売上・受取利息・雑収入など
●費用:仕入・水道光熱費・給料など

上記のように分類することで、客観的に収支が見えるようになります。そのためにこれらの5つの項目が勘定科目です。

④固定資産

「固定資産」は、長期的に利用する資産のことです。取得価額が100,000円以上でものが該当します[3]。先に解説したように「券売機が100,000円以上であれば減価償却を行う」とされているのは、固定資産となります。また、修繕によって使用可能期間を延長したり価値を高めたりした場合も固定資産に該当します[3]。

ただし短期間で現金化できる資産は、100,000円以上で取得したとしても流動資産として計上してください。固定資産はあくまでも、取得価額が100,000円以上であり、短期間で現金化できない「固定的な資産」のことです。

券売機が故障せずに安定して使用できる期間

券売機を安定して使用できる期間は、一般的に5〜6年とされています。

もちろんメンテナンス状況や製品、使用頻度によって変わる可能性は十分にあるでしょう。しかし一般的には法で定められた耐用年数よりも早く寿命を迎えることが多い傾向にあります。

導入方法によって異なる減価償却の方法

券売機の法で定められた耐用年数は導入方法によって変わると解説しました。そこで課題となるのが減価償却方法の違いです。導入方法ごとにどのように減価償却を行うのか解説します。

購入

券売機を購入した場合、「定額法」もしくは「定率法」で減価償却を行いましょう。

定額法

定額法とは法で定められた耐用年数内の減価償却額を一定とする方法です。経費として計上できる金額が毎年変わらないため、計算しやすいことがメリット。法定耐用年数内の節税効果が一定になることも特徴であると言えます。

たとえば100万円で購入した券売機で法で定められた耐用年数が8年であった場合、毎年の減価償却費は125,000円となります。「100万円÷8」の計算式で算出できるためシンプルです。毎年一定の金額を減価償却したい、経理業務を効率化したい場合は定額法をおすすめします。

定率法

定率法とは未償却残高に対して一定の割合を乗算して、減価償却費を算出する方法です。未償却残高は固定資産の取得価額から減価償却費を差し引いた金額を指します。100万円で購入した法定耐用年数8年の券売機を、定率法で減価償却する一例を見てみましょう。

【減価償却費 未償却残高】
0年目 0円 1,000,000円
1年目 250,000円 750,000円
2年目 187,500円 562,500円
3年目 140,625円 421,875円
4年目 105,468円 316,407円

法で定められた耐用年数8年の資産は、償却率を25%として計算します[4]。上記のように、1年目は取得価額に対して25%を乗じるため減価償却費は250,000円です。2年目以降は未償却残高に対して25%を乗じて算出します。1年目に100万円から250,000円を償却したため、未償却残高である750,000円に対して25%を乗じてください。

しかし上記のように毎年計算していくと、未償却残高が0円になることはありません。そのため未償却残高が「保証額」以下になったら改定償却率で計算をします。保証額は法定耐用年数ごとに決まっている「保証率」を、固定資産の取得価額に乗じて算出しましょう。法で定められた耐用年数8年の場合、保証率は7.909%で改定償却率は33.4%です[4]。

保証額:1,000,000円×7.909%=79,090円

未償却残高が79,090円以下となった年以降は改定償却率を用いて計算を続けます。保証額を下回った前年の未償却残高に改定償却率33.4%を乗じて計上するため、毎年同じ金額が減価償却されることになります。

そして未償却残高が0円以下にならないように、最後の年は1円を残した状態で計上してください。資産が存在することを示す備忘価額です。

以上のように定率法は経理処理が複雑になる点はデメリットですが、定額法に比べて節税効果が高い方法です。定率法を採用する際の参考にしてください。

リース

券売機をリースする際の減価償却方法は、ファイナンスリース契約であるか、オペレーティングリース契約であるかにより変わります。

ファイナンスリース契約

ファイナンスリース契約では、購入のときと同じ方法で減価償却をしてください。所有権移転リースであり、リース契約が終了した際に券売機の所有権が自社になるためです。

先に解説したように、定額法もしくは定率法で計上しましょう。

オペレーティングリース契約

オペレーティングリース契約の場合は減価償却の必要がありません。所有権移転外リースでは、券売機の所有権はリース会社にあります。そのため「リース料」として計上するだけです。

券売機の導入方法の選び方

解説してきたように、券売機の法定耐用年数と経費計上方法は導入方法により変わります。これから導入を検討されているなら、どの方法を採用すべきか迷うところではないでしょうか。

そこで券売機を利用する期間ごとに、どの方法で導入するのがおすすめかを解説します。

短期利用はレンタルがおすすめ

まず短期的な利用を前提としているのであれば、レンタルが良いでしょう。レンタルなら減価償却の必要がありませんし、最短1日からレンタルできる業者もあります。経理処理の手間が省け、さらに低コストであることが魅力です。

短期間のイベントを開催する、ポップアップストアを設置するなどの目的であればレンタルを活用しましょう。

中期利用はリースがおすすめ

中期的な利用を検討されているなら、リース契約がおすすめです。1年から5年程度の利用であれば、購入のように初期費用がかからずコスト面での負担が軽減されます。所有権移転外リースであれば減価償却の計算も不要です。

券売機を数年間導入してみて、本格導入するか検討したいなどのケースでもリースが便利。もちろん数年間だけ設置する予定の店舗や施設でも導入しやすいでしょう。中期的な利用であれば、リース契約を検討してみてください。

長期利用は購入がおすすめ

長期的に利用し続ける予定であれば、やはり購入する方法がもっとも適した方法です。初期費用はかかりますが、減価償却できるため節税効果が見込めることが魅力。5年以上利用するのであれば、リースよりもコストを抑えられるケースも多く見られます。

券売機の導入では補助金・助成金制度を利用できることもあり、もし利用できればコスト面での負担も軽減されるはずです。店舗や施設・イベントで継続的に券売機を導入したいと考えるなら購入すべきでしょう。

券売機を導入する際は補助金の活用もおすすめ

それでは券売機導入の際に利用できる補助金・助成金制度についてご紹介します。主な3つの制度をピックアップしましたが、お住まいの自治体で独自の補助金制度が展開されていることもあるかもしれません。制度内容を確認し、券売機導入の負担軽減に役立てましょう。

①IT導入補助金

「IT導入補助金」とは、業務効率化・DX化のためにITツールを導入する際に利用できる制度です。中小企業と小規模事業者が対象とされています[5]。

補助金額は用途や券売機本体の金額により変わります。たとえば100万円の券売機を顧客対応や販売支援のために導入するなら、500,000円の補助金申請が可能。1/2の補助を受けられればコスト的な負担はかなり軽減されるでしょう。自社が該当するようなら活用を検討したい制度です。

②業務改善助成金

「業務改善助成金」は生産性向上のために設備を導入したり、投資をしたりした場合に利用できる制度[6]。従業員の負担を軽減する、労働環境を改善するなどの取り組みがあり、最低賃金の引き上げがあれば申請対象となります。券売機の導入も業務改善のひとつであるため該当するはずです。

助成上限額は従業員の人数と最低賃金金額、最低賃金の引き上げ額によって変わります[6]。券売機を導入して業務効率化をはかるとともに、最低賃金を引き上げて従業員のモチベーションアップを狙うときに利用しましょう。

③ものづくり補助金

「ものづくり補助金」ものづくりだけでなく、商業やサービス生産性向上のためにも活用できます[7]。中小企業・小規模事業者が対象であり、制度の変更に対応するための業務プロセス改善を支援することが目的です。

業務プロセス改善のためであれば、券売機の導入も補助対象となる可能性があります。

券売機の法定耐用年数を考えたうえでの導入を

いかがでしたでしょうか。券売機の法定耐用年数や減価償却の考え方は、導入方法だけでなく、用途や業種によっても判断が分かれる可能性があります。

また、税務上の取扱いは法改正や制度変更の影響を受けるため、常に最新の情報を確認することが重要です。

本記事で解説した内容は一般的な考え方となるため、実際の導入や会計処理にあたっては、必ず自社の経理担当者や税理士等の専門家へ相談したうえで判断するようにしてください。

また券売機の法定耐用年数と実態にギャップが生じることも少なくありません。

●税務上の耐用年数は一定ではない
●実際の使用期間ともズレがある
●減価償却の処理も複雑になりやすい

といった背景から、近年では「資産として保有しない」という選択肢にも注目が集まっています
そこで検討したいのが、クラウド型の券売機サービスです。

クラウド型であれば、券売機を自社資産として保有する必要がなく、減価償却や耐用年数を意識した管理が不要になります。利用料金をそのまま経費として処理できるため、会計処理もシンプルです。

また、システムのアップデートや機能追加もクラウド上で行われるため、長期間利用する場合でも陳腐化のリスクを抑えられる点も大きなメリットと言えるでしょう。

CLOUD PASSは、こうしたクラウド型の特性を活かした券売機サービスであり、施設やイベントにおけるチケット販売・受付業務を効率化できます。

[1]参照:国税庁:(PDF)主な減価償却資産の耐用年数表
[2]参照:国税庁:No.2100 減価償却のあらまし
[3]参照:J-Net21:固定資産として計上するのはどのような場合でしょうか。
[4]参照:国税庁:(PDF)減価償却資産の償却率等表
[5]参照:IT導入補助金2025:申請の対象となる方
[6]参照:厚生労働省:業務改善助成金
[7]参照:ものづくり補助金総合サイト:トップページ

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