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券売機導入に使える補助金制度とは?申請の注意点や導入時のポイント
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券売機や電子チケットシステムの導入を検討されている方に向けて、券売機導入に使える補助金制度について解説します。
新紙幣の発行により、「対応している券売機を導入しようか」と考える方が増えてきました。しかしそこで問題になるのがコストの問題です。券売機を導入するにはコストがかかります。
そこで今回の記事では、券売機導入に使える補助金制度について、申請時の注意点や導入のポイントも含めてご紹介します。参考にしていただければ、コストの負担を軽減させながら券売機を導入するための方法についておわかりいただけるはずです。
目次
券売機とは
「券売機」とは自動的にチケットを販売する機械のことです。たとえば施設やイベントなどのチケットを無人で発券する機械のことを指します。利用者がお金を入れると発券されるシステムになっていて、決済と発券の両方を同時に行ってくれるシステムです。ボタン式、タッチパネル式の2種類があり、最近では電子マネーに対応している券売機も少なくありません。
以上のように券売機とは、決済と発券を同時に行える自動チケット販売機とも言えるものです。
券売機の導入に活用できる補助金

券売機を導入すると業務効率がアップしますが、やはり導入のためのコストが必要となります。企業によってはコストが捻出できないこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、券売機導入に使える補助金制度です。代表的な補助金制度を3つご紹介しますので、券売機の導入を検討されているならぜひ条件を確認したうえで活用してください。
IT導入補助金
券売機を導入する際には、「IT導入補助金」を利用できる可能性があります。IT導入補助金とは中小企業や小規模事業者が生産性を向上させるために、DX化を推進する際に受け取れる補助金制度です。補助金の対象となるのは業務効率化やDX化を推進するためのITツール導入費用です。
券売機の補助率と補助金額は、「インボイス枠」において補助率1/2以内、補助額20万円以下とされています。要件は会計・受発注・決済のうち2つ以上の機能を搭載していることです。
IT導入補助金制度を活用することで、券売機導入にかかるコストを最大で半額に抑えられる可能性があります。導入を検討している場合はぜひ活用を検討してみてください。
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が販路開拓のために経営計画を策定した際に申請できる補助金制度です[2]。たとえばウェブ広告を出したり、チラシを作ったり、店舗を改装したりするための費用が対象です。そしてその中には「設備導入」も含まれます。つまり設備として券売機を導入するための費用も補助金の対象となると考えられるでしょう。
設備導入にて補助金制度を利用する際には、新サービスや新商品の販路開拓につながることが条件であるとされています[2]。つまり新たなサービスや商品を開発するための導入であれば認められるはずです。しかし設備が古くなったから、人件費を削減したいからなどの理由であれば、小規模事業者持続化補助金は使えないでしょう。券売機導入で補助金を受け取るには、条件に合うように導入することが大切です。
中小企業省力化投資補助金
生産性向上と人材不足解消を目指すために設けられている、中小企業用の補助金制度です。「カタログ型」と「一般型」の2種類があり、カタログ型では省力効果のある製品が補助対象となります[3]。一方で一般型では、現場にあわせた設備やシステムの導入が補助対象です[3]。券売機導入で中小企業省力化投資補助金制度を利用するなら、一般型の方が使いやすいかもしれません。
一般型の補助上限は最大1億円、カタログ型では最大1,500万円とされています[3]。もしカタログ型に券売機が掲載されていたとしても、十分な補助を受けられるでしょう。現場の生産性や人材不足に悩んでいるならぜひ利用を検討してください。
補助金を申請する際の注意点

券売機の導入には補助金制度が利用できると解説しました。しかし申請の際にはいくつかの注意点があります。券売機導入の前に注意点を把握して、スムーズに補助金を受け取れるようにしましょう。
注意点1:審査に採択される必要がある
補助金を受け取るには、まず審査に採択される必要があります。たとえ条件を満たして申請したとしても、採択されなければ補助金は受け取れません。補助金は無制限に給付されるものではなく、受け入れられる件数や補助金額総額が決まっていることがほとんどだからです。
そのため申請をする際には、審査に採択されるように申請書類を作成するようにしてください。書類を期限までに提出することはもちろんですが、書類の内容が補助金制度の目的に対して適正であることも求められるでしょう。
申請理由や企業の特色は、審査員に伝わりやすいように記載すると採択されやすくなります。申請をすれば必ず採択されるわけではないことを念頭に置き、書類を作成するようにすることが大切です。
注意点2:補助金の支給には時間がかかる
補助金の支給には時間がかかることも注意点のひとつです。そのため券売機導入で補助金が受け取れるとしても、受け取れるのは数か月先になるでしょう。つまり数か月分の運転資金を確保しておく必要があります。
支給までの期間は制度によって異なります。支給までに時間がかかるものであれば、1年ほど待たなければならないことも。券売機導入のコストを補助金でまかなおうとする場合でも、余剰資金を持っておかなければ経営が苦しくなってしまうかもしれません。
補助金は、経営に必要な資金を支援するための制度です。かかるコストのすべてを補助金に頼ってしまうことは危険です。支給時期を見越して、十分な資金を準備しましょう。
注意点3:期限に余裕をもった準備が必要となる
最後の注意点として、期限に余裕を持った準備が必要となることも知っておいてください。補助金制度によっては、申請期間が1か月ほどしかないこともあります。そのため事前に準備をしておかなければ、申請期間を逃してしまうかもしれません。
たとえば2025年度のIT導入補助金は3月31日からの申請となっています[1]。終了時期は公開されていませんが、規定の申請数に達した時点で終了になる可能性が高いでしょう。
そのため申請時期に合わせて、余裕を持った準備を進めてください。期限を確認し、必要書類を事前に確認・作成しておくことで、申請を円滑に進められます。
※補助金制度はいずれも申請が通り次第申請対象となります
券売機を導入するメリット

券売機は補助金が交付されればコストの負担を減らしながら導入できる設備です。しかしまず「券売機が必要であるかどうか」を考えてから導入しなければ、効果的に活用できないかもしれません。そこで券売機を導入するメリットについて見ていきましょう。主な5つのメリットについて解説しますので、自社にとって必要な設備であるかどうか検討してください。
メリット①スタッフの業務が効率化する
券売機を導入する最大のメリットとも言えるのが、スタッフの業務が効率化されることです。券売機がなければスタッフがお客様からのオーダーを受けなければなりません。そこで業務の滞りが発生することもあります。しかし券売機があれば自動的に注文を受けられるため、業務効率向上がはかれるはずです。
またオーダーを受ける業務がなくなった分、お客様へのサービスを手厚くできるかもしれません。「オーダー受付」の業務を省けるようになれば、その他の業務に人員を集中させやすくなり、店舗全体の業務効率改善にもつながるでしょう。
メリット②スムーズにサービスを提供できる
お客様へのサービス提供がスムーズになることも大きなメリットと言えます。券売機で注文ができるため、スタッフが来るのを待つ手間や時間がなくなります。注文自体が迅速化され、たとえばお昼の休憩中で1分でも早く注文したいお客様へのサービス提供もスムーズになるでしょう。
券売機の導入は店舗側だけにメリットがあるものではありません。スピードを重視する顧客に対しても、満足度向上に寄与します。
メリット③会計ミスが軽減される
会計ミスが軽減されることも券売機導入のメリットのひとつとなります。人が対応すると、どうしても人為的ミスが起こりがちです。しかし機械である券売機にオーダーを任せれば、伝達ミスや会計ミスは起こらないでしょう。券売機だけで注文と会計が済むのですから、会計ミスが起こる可能性はほぼなくなるはずです。
メリット④売上の管理が楽になる
券売機を導入すると、売上の管理も簡易化されます。券売機には売上データの記録・集計機能が備わっていることが多く、自動的に売上データを取得でき、マーケティングに活用可能です。在庫管理機能が搭載されている券売機もあります。
人が行う会計や在庫管理では、誤差やミスが生じることもあるでしょう。しかし券売機にデータ管理を任せれば、売上や在庫の管理も簡易化されるので店舗全体の運営がスムーズになります。
メリット⑤長期的にはコストを削減できる
最後のメリットは、長期的なコスト削減効果があることです。補助金制度を使ったとしても、やはり券売機導入にはコストがかかる可能性があります。しかし長期的な視点で見ると、コストダウンにつながることが多いのではないでしょうか。たとえば人件費を削減できること、業務効率向上によって店舗の回転率が上がることなどです。スタッフへのオーダー受付に関する教育の手間も省けるでしょう。
人件費の削減、業務効率向上効果により、純利益が高まることも期待できます。券売機導入の際にはコストがかかり、補助金申請の手間がかかるかもしれません。しかし長期的に見ればコスト削減効果が高く、利益向上が望めます。
券売機を導入するデメリット

券売機導入のメリットについてご紹介しましたが、反対にデメリットがあることも知っておいてください。補助金制度を利用したとしても、券売機の導入には次のようなデメリットがあります。
デメリット①導入時にコストがかかる
券売機を導入するにはコストがかかります。券売機導入のため補助金を申請したとしても、支給されるのは数か月先です。ともすれば1年ほど後であることも珍しくありません。
そのため導入の際には、資金を準備する必要があります。補助金が交付される数か月までの間、経営に支障をきたさないほどの資金を準備しなければなりません。資金的な余裕がある状態で導入しなければ、経営に無理が生じてしまうこともあるでしょう。補助金を受けられるとしても、導入後すぐに受け取られるわけではなく、コスト的な負担がかかることを忘れないでください。
デメリット②追加の注文を受けづらい
追加注文を受けづらいこともデメリットのひとつとなります。通常、券売機がない店舗ではお客様がスタッフに注文をします。そこでコミュニケーションが生まれて、追加の注文が発生することもあるでしょう。しかし券売機ではメニューの案内やコミュニケーションが発生しません。そのためおすすめ商品の案内や追加注文の提案をする機会がなくなります。
追加の注文を受けづらくなることにより、客単価が下がることもありえます。ラーメン店や牛丼店など、追加注文が発生しやすい店舗では、券売機の導入によって売上やお客様満足度が低下してしまうかもしれません。
デメリット③高齢者が戸惑う可能性がある
最後のデメリットは、券売機に慣れていない高齢者が戸惑う可能性があることについてです。「券売機で購入する」という行為は、慣れていない方にとっては緊張するもの。たとえば高齢者の方や女性の方であれば、券売機がある店舗が初めてで操作方法がわからないこともあるでしょう。中には「券売機だから行きづらい」と入店を控えてしまう方がいるかもしれません。
操作がわかりやすい券売機を選んだり、操作説明の貼り紙を作ったりする配慮も必要となるでしょう。券売機を導入したことにより、戸惑う人が少なくなるようにする必要があります。
導入する券売機を選ぶポイント

補助金制度を利用して券売機を導入するには、次のようなポイントを意識しましょう。
【ポイント】
・目的に合った機能が備わっていること
・予算内で導入できること
・操作方法がわかりやすいこと
・使いたい決済機能が搭載されていること
・設置スペースに無理がないこと
・サポートが充実していること
・オプション機能によって自店舗にあった運営ができること
・アフターサポートや保守がしっかりと行われること
券売機にはさまざまな種類があります。そのため自店舗にとって重要性の高い機能や決済方法が搭載されていることを確認したうえで選ぶようにしましょう。もちろん予算内で導入できること、店舗側・顧客側の両方が操作しやすいことなども重要です。設置後のアフターケアやサポートが充実しているかどうかも欠かせないポイントとなります。
また忘れられがちなのが設置スペース内に収まるかどうかです。設置したいスペースの面積に収まらなければ、運用しにくくなったり、邪魔になってしまったりすることもあるでしょう。導入の際にはスペース内に収まるかどうかをよく確認したうえで、券売機を選ぶようにしてください。
券売機の選択肢は豊富に用意されています。しかし自店舗に合った運用をするには、ご紹介したポイントをあらかじめ知っておくと間違いがありません。
補助金の活用ならクラウドパスの券売機がおすすめ
券売機の導入で補助金を活用するなら、「CLOUD PASS(クラウドパス)」がおすすめです。クラウドパスはチケット販売において、日時指定や券種の設定もできる機能性を備えています。タッチパネル式なので直感的に操作でき、券売機に慣れていない方でも簡単にチケットを購入できるでしょう。新紙幣にも対応しています。
種類は5種類。10インチタイプから21インチタイプまで揃っており、設置スペースに合わせた券売機を選べます。10インチタイプは卓上であるため、設置スペースを確保しにくい場合や、持ち運びが必要な場合に最適です。
いずれのタイプでもオンライン・窓口・券売機販売と複数のチャネルでの販売を一元管理できるため管理しやすくなっています。セット券や回数券の購入、座席の選択が可能など、さまざまな形態のチケット販売に順応できることも特徴のひとつ。翻訳機能搭載によって、国際的なイベントにも導入できます。
補助金を活用すれば券売機導入にかけるコスト負担は少なくなるでしょう。コストの低さを重視するよりも、機能性を重視されてはいかがでしょうか?高性能なクラウドパスを導入すれば、券売機導入のメリットをより感じられるはずです。
券売機の導入は補助金制度を上手に活用して
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、券売機導入における補助金制度についてご理解いただけたと思います。券売機導入には確かにコストがかかります。しかし補助金制度を利用すれば、券売機導入のためのコスト負担も軽減されるはずです。
CLOUD PASS(クラウドパス)はオンライン販売・現地販売の両方に対応し、座席指定やチケット配分まで対応する高機能券売機。サイズも幅広くご用意しているため、設置スペースに困ることもないでしょう。補助金を利用した券売機導入を検討されている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
[1]参照:IT導入補助金2025:(PDF)IT導入補助金2025 公募要領 インボイス枠(インボイス対応類型)
[2]参照:ミラサポplus:事例から学ぶ「持続化補助金」